だれかの日記

この3日間、私は何もしなかった。

けれど、それだけのことが、こんなにも深く私の中に残ってしまうなんて、思ってもいなかった。

カーテンの隙間から差し込む光が、少しずつ移ろってゆくのを、私はただながめていた。ときおり、窓の外から賑やかな家族連れの声が聞こえてきた。

明日からまたお仕事が始まる。外とつながっているふりをして、私はまた、誰かのふりをするのだろう。

そういえば、今朝、枕元に一本だけ落ちていた髪。あれは、ほんとうに私のものだったのかしら。