1918年の今日、暮らしを守ろうと声をあげた人たちがいた。
政治家でも労働組合でもない。切実な米不足に悩む富山のおかあさんたちだ。
家族の分もないのに、どうしてよそに売るの。
台所の怒りが、港を止めた。その日船は動かず、社会がきしみ始めた。大きな戦争が終わろうとし、日々の暮らしが静かに壊れていった時代。
その後、全国で襲撃や焼き討ちが相次いだ。怒りの矛先は米屋、新聞社、町役場、警察署へと拡大し、内閣は総辞職。庶民の怒りを無視できない時代に突入した。
今は怒号も火炎もない。米が高くても、何かを食べて、次の日を迎える。
けれど、そんな凪に――釈然としない思いだけが残っている。
